皮膚と地図
「皮膚と地図-4名のアーティストによる身体と知覚への試み」
「皮膚と地図Ⅱ−記憶と時間への近づき方」
企画展覧会の情報を掲載しています。

2010年9月27日月曜日

展覧会概要/企画意図 concept


このたび、あいちトリエンナーレ内の企画コンペで入選し、展覧会を行う機会をいただきました。

本展は論理的思考や視覚だけに頼らず、全感覚を使って展覧会を鑑賞してもらいたいという意図のもと企画しました。
企画のヒントは数学者の岡潔(おかきよし)のエッセイ(*)を読んでいたときに浮かんできました。岡は自転車に乗ってトンネルを抜け、それまで見えなかった海がパッと真下に見えた途端に数学の難問が解けたというエピソードを紹介し、身体感覚を通して難問を解く糸口が閃いたと書いています。人間の深い知恵は論理的な思考を行う心の働きからではなく、全体的な直感把握を行う心の働きの部分が司っているという事柄を、論理的思考を重視する数学者が解いているのが興味深く、同時に数学的な発見にも美術の創作の根底にもある感覚的な共通項に気付かされました。現代美術の複雑さや、技術や素材の不可解で多様な質に引きこまれ過ぎずに鑑賞して欲しい、そして視覚的な面白さに頼るだけでなく、岡潔のように自然に身を任せたときに、意識に切れ目ができて冴えた感覚が飛び出てくるような、そんな風に全体を直感的に把握しながら展覧会場を歩き回って欲しいというのが理想です。本展で紹介する4名のアーティストは、現実を捉える客観性と身体的な感覚をそれぞれのバランスで展開し続けています。

「皮膚と地図」が感覚や論理だけに偏っているのでもなく、表層や境界だけを意味しているのでもない、発展し拡がりのあるテーマだということを鑑賞者の皆様がそれぞれに見つけてくれたら幸いです。(*「春宵十夜」岡潔、光文社,1963)


I have been accepted to the Curatorial Exhibition Competition (Art
space) of Aichi Triennale 2010 and was given the chance to hold this
exhibition.

This exhibition was planned with the intention to have viewers use
their full senses, rather than having them merely rely on their
logical thinking or their visual senses.I came up with the idea of
this exhibition when I was reading an essay by a mathematician named
Kiyoshi Oka. Oka described in his essay his experience of how he was
able to solve a difficult math problem when he was riding his bicycle.
After he rode through a tunnel, the view of the sea suddenly came into
his eyes, and through this physical sense, Oka discovered a clue that
helped him solve the problem.
It was very interesting to see a mathematician, who emphasizes logical
thinking, noting how the deep wisdom of human beings are not
controlled by the logical mind but rather by the instinctiveness of
the heart. I also realized that senses lie a common denominator for
math findings and art creation.

I would like for you to look at the works without being too drawn in
by the complexity of contemporary art or by the mysterious and diverse
qualities of techniques and materials applied in the artworks. My goal
is to have viewers grasp instinctively the entirety of these works.
Rather than just relying on the visual sense, I would like for you to
walk around and experience what the mathmatician Oka has gone through
-- the feeling of a sharpened sense jumping out after leaving things
to mother nature. The four artists introduced here each have a unique
balance of objectivity, which goes beyond the reality, as well as
physical senses. It would be my great pleasure if you can discover
that the theme of "skin and map" continues to develop and expand. It
is not merely dependent on senses or logic, nor does it just indicate
surfaces or borders.

皮膚と地図 終了しました

展覧会は9月12日で無事終了いたしました。ご協力くださったみなさま、本当にありがとうございました。事務局から入場者数をいただいていないのですが、平日でも250名近くの方に見ていただいたようです。



撮影:城戸保

ちなみに、あいちトリエンナーレは10月31日まで開催しております。ひつまぶしも味噌煮込みうどんも美味ですのでぜひゆっくり巡ってください〜。

*ちなみに床に関するお問い合わせを結構いただいているのですが、事務局仕様ですのでなんともご返答しにくいです!もちろんなにかあればお気軽にどうぞ〜。

窪田美樹 芸術文化センター作品 Miki Kubota




窪田美樹 1975年 神奈川県生まれ・神奈川県在住
「光源」
彼女の作品は「紙を丸める」「埋める」などのシンプルな行程の繰り返しでできあがります。家具という量感のある物体の表面が印刷された紙になり、それがさらに丸められ、さらに組み合わされた家具に埋められることで物体に戻っていきます。今回は光源から発する光が自己の皮膚を照らし、自身と周囲の環境を一体化させるという新しい展開を見せます。形としては捉えられない「光」が物質化されることで、虚像と実像、表層と内側、そして自己と外部との関係がさらに複雑に現れてきます。

Miki Kubota, born in Kanagawa in 1975, currently residing in Kanagawa
"A Light source"
Kubota creates her works by repeating simple actions such as crumpling
up papers or burying things. The surface of an object -- a furniture
in this case -- is printed on a paper, which is then crumpled and
buried on a furniture put together and thus turning back into an
object. In this exhibition, the light illuminates the skin, which then
links the self and the external environment. By objectifying light,
which can not be grasped as a shape, ties between virtual and real,
surface and inner, and self and external come up complicatedly.

池崎拓也 芸術文化センター作品 Takuya Ikezaki







池崎拓也 1981年 鹿児島県徳之島生まれ 北京・東京在住
「目頭から流れる、空青し、山青し、海青し」
紙、ビニールテープ、布、針金など身近にある可塑的な素材を用いて展開される彼の作品は、海や山々、道路や空が一体となって風景のように立ち現れます。物事の裏と表や、始まりと終わりなど触覚と視覚の曖昧な境界や捉え難い感覚に対する疑問が彼の作品の根底にあります。光の粒子や、皺や襞など、視覚だけでは捉えられない質感は、個人の記憶、つまり時間や空間にも結びつき、彼の世界の地図が生成されます。

Takuya Ikezaki, born in Tokunoshima, Kagoshima in 1981, currently
residing in Beijing/Tokyo
"Blue Sky, Blue Mountain and Blue Sea falling from the Eyes"
Installation works of Takuya Ikezaki deal with elusive sensations or
awarenesses such as blinking lights showing up underneath closed
eyelids and crumpled fabrics by using cheap and daily materials. His
works, composed of common materials such as paper, plastic tapes,
clothes and wires, turn the sea, mountains, roads and sky into one
scenery. The sense of material that can not be grapsed just by
visions, such as light particles, wrinkles and pleats, link with
personal memories like time and space.

清水悟 芸術文化センター作品 Satoru Shimizu


清水悟
「ひかりかがやくものをたべてはいけない」
1980年 福岡県生まれ・東京都在住
建物の壁の模様や雑誌から抜き取ったモチーフの表面をなぞり、こすって紙に転写するという、一見子どもの遊びのような方法で制作しています。本展で現れる衣服のイメージも、建築物の壁も物質的な他者と向き合う仮の皮膚のようであり、永遠に変化し更新し続ける地図のようでもあります。「ひかりかがやく」衣服のイメージを「たべてはいけない」と敢えて禁止するような今回のタイトルは、視覚に頼らず皮膚感覚でイメージを捉える際のズレを強調しているかのようです。

Satoru Shimizu, born in 1980 in Fukuoka, currently residing in Tokyo
"Do not eat shining things"
Shimizu uses a method that resembles children's play by tracing the
surface of motifs found on building walls or magazines onto papers.
The images of clothes and building walls that appear in this
exhibition are similar to artificial skins that face others, and also
resemble maps that forever continue to change and update. The title
that bans the eating of shining clothes seem to emphasize the gap that
occurs when one tries to capture an image with skin senses, rather
than visually.

林加奈子 芸術文化センター作品 kanako hayashi




林加奈子
1981年 大阪生まれ、大分県別府在住
「 愛知の風景画 ; バナナ、星、半月、橋」
パズルのピースのように建物の隙間に身体を融け込ませる試みを通じ、街の表面に働きかけることで独特の知覚を浮かび上がらせる作品を制作しています。自分の周りの地図を、自分の知覚で作っていく方法は、子どもが自分のいる場所を認識する際に行う方法に似ていて、表現の本質に向っています。本展で発表する作品では、自らが星や木などの風景=地図の一部となって、自分自身を街や自然に同化させてできる新しい価値を持った風景を生成しています。

Kanako Hayashi, born in 1981 in Osaka, currently residing in Beppu, Oita
"Landscapes of Aichi ; Banana, Star, Half-moon, Bridge"
By attempting to melt bodies into spaces in between buildings like
puzzle pieces, Hayashi works on the surface of cities and creates
works that bring up a unique consciousness. The method of creating a
map of the environment based on one's consciousness resembles the
process of a child becoming aware of where she is. By turning herself
into stars and trees and becoming a part of a map, Hayashi creates
scenes with a new kind of value in this exhibition that comes from
fitting oneself into cities and nature.


special thanks ; DJ HADA

名古屋造形大学4 池崎拓也


池崎拓也<わたしは石、わたしは火>2010, 金紙、銀紙、アクリル

名古屋造形大学ー4 清水悟

清水悟<Untitled (clothes)> 2010, 紙

名古屋造形大学3ー林加奈子


林加奈子<愛知の風景画;橋>2010

皮膚と地図 名古屋造形大学2ー窪田美樹

窪田美樹<はれもの;こぶ>2010,紙, カーペット


窪田美樹 <はれもの;でぶ>2010, 紙,椅子

名古屋造形大学 展示風景



名古屋造形大学の展示は、9月9日で終了しております。ご高覧いただきました皆様、ありがとうございます。

2010年8月29日日曜日

皮膚と地図 展覧会風景 あいちトリエンナーレ2010



写真を撮影してもらったらまた改めて掲載します!

2010年8月28日土曜日

名古屋造形大学/展示風景


名古屋造形大学ギャラリーD2/3の展示、開催中です。展示風景は写真で少し雰囲気が伝わるでしょうか。あいちトリエンナーレの展示とはだいぶ雰囲気も違います。ギャラリーD2/3で公開制作もさせていただきました。名古屋造形大学は、学長をはじめ、先生方、助手のみなさま、お手伝いくださった学生さん、そして守衛の方までとてもあたたかく、皆様にお世話になりました。会期は9日までです。どうぞよろしくお願いします。

洋画助手の荒川さんのブログにも宣伝いただきました→こちら

名古屋造形大学洋画コースのブログより→こちら


2010年8月15日日曜日

皮膚と地図 コンセプト


■展覧会意図
意図や概念を超えて、身体や皮膚の感覚に迫ってくる作品を紹介することで作品を論理的な知覚と皮膚感覚とをいっぺんに捉えてもらえるような場として本展を企画しました。素材や表現方法の異なる4名のアーティストの作品を通じて、全体を直感的に捉える思考や捉えどころのない感覚に辿り着こうとする迷いを共有してもらいたいと考えています。

私たちは普段、何かを感じるとき表層の細かい変化を、視覚だけでない感覚を伴って感じています。例えば道を歩いていて、交差点に差し掛かったとき、視覚だけでなく風が抜けていく空気を肌で感じることも一緒になって私たちはそこが交差点だとわかります。

本展では、現実を捉える客観性と身体的な感覚のバランスを保つ試みを通じて、そこにある矛盾や葛藤に向き合いながら制作を続けている4名のアーティストの作品を紹介します。磨く、削るなどのシンプルな行程の繰り返しによって制作される窪田美樹の彫刻作品は、表層と内側、虚と実が何度も置き換えられます。池崎拓也は身近にある安価な素材を用いて、瞼の裏に表れる光の明滅や布の皺や裏表など、把握しにくい感覚や認識をテーマにインスタレーション作品を展開しています。
建物の壁の模様や、新聞紙や図鑑などからモチーフを集め、なぞる、こするなどの行為によってフロッタージュのような作品を制作する清水悟の平面作品は、一見意味のない記号の組み合わせが一つの世界を構築していきます。林加奈子の作品は、建物の隙間や路上の亀裂に身体や果物、花などを埋め、街の表面に働きかけることで独特の知覚を浮かび上がらせます。

展覧会DM裏


DM裏面情報です!

2010年8月14日土曜日

ナディッフ 愛知

あいちトリエンナーレ会場内にあるショップ、ナディッフ愛知では「皮膚と地図」展に出品する4名のアーティストの作品を展示・販売します。この機会に作品の購入もご検討下さい!!


ナディッフ 愛知
[ 愛知芸術文化センター アートショップ ]

会期:8月21日〜9月12日 月曜日定休 
時間 10:00-19:00 (金-20:00 土,日,祝日-18:00)
入場無料 

→アクセス
愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
愛知芸術文化センターB2F 地下鉄栄駅下車徒歩3分

名古屋造形大学での公開制作

今回、名古屋造形大学のギャラリーD2・3を制作場所として使用させていただいています。洋画研究室から公開制作のことを宣伝していただいています。

http://yo-galab.blogspot.com/2010/08/blog-post_7312.html

リンク先の写真よりはだいぶ制作も進んでいますので、もしお近くにいらっしゃる方は覗いてみて下さい。16日までは毎日制作過程が見られます。

※作家はアトリエにいない場合もありますのでご了承下さい。

名古屋造形大学

スピンオフ企画として、名古屋造形大学でも展示を行います!!


展覧会タイトル:皮膚と地図〜身体と知覚を越えて
会期:8月25日〜9月9日 会期中無休
時間:10:00-18:00
入場無料

アクセス:
愛知県小牧市大草年上坂6004
JR中央本線、春日井駅、高蔵寺駅から学バス約20分
http://www.nzu.ac.jp/

協力:名古屋造形大学

名古屋造形大学のご協力の元、あいちトリエンナーレ2010内の「皮膚と地図」展に出品する作品の制作拠点として、大学内ギャラリーD2・3を使用させていただき、さらに展覧会を開催させていただくことになりました。制作や思考のプロセスをより身近に感じ、新しい発想のヒントを見つけてもらえたらと思います。

※名古屋造形大学にお越しの際、夏期休暇中につきバスの本数が少なくなっておりますので、下記URLでご確認のうえ、お越しください。

http://www.nzu.ac.jp/bus/263/

2010年5月18日火曜日

Skin & Map

The aim of this exhibition is for viewers to perceive logically and physically at the same time through artworks that go beyond their concepts  to confront the senses of your body and skin.
 
The viewers will experience the process of intuitively grasping the whole situation as well as trying to reach an ambiguous sense through works by four artists, each using different materials to create their unique style.
 
When we feel something, usually we sense the details of changes by relying not only on vision, but also on other senses. For example, when we reach a pedestrian crossing, we understand where we are not only because of what we see, but also because our bodies feel the wind passing through.
 
In this exhibition, works of four artists, who are creating artworks that maintain the balance between logical objectivit and sense of body while facing contradiction, will be introduced.
 
Sculptures created by Miki Kubota repeatedly replace shadows and substances as well as surface and content through simple processes such as polishing and burying.
 
Installation works of Takuya Ikezaki deal with elusive sensations or awarenesses such as blinking lights showing up underneath closed eyelids and crumpled fabrics by using cheap and daily materials.
 
Satoru Shimizu's unique world is developed through a combination of symbols that, at a glance, seem meaningless. He scrapes and traces motifs such as wall patterns, newspapers and encyclopedias to create his printed drawings.
 
Kanako Hayashi buries objects like flowers, fruits and herself on city surfaces including small spaces between buildings and cracks on the street to make viewers aware of unique perceptions.

2010年4月12日月曜日

ボランティア募集

ボランティアスタッフ募集中 

「皮膚と地図」チームは、愛知での展覧会準備を支えてくれるボランティアスタッフを募集しています。
主に搬入、搬出のお手伝いを募集しております。ご興味がありましたら以下までご連絡ください。

応募対象者:
男女問わず年齢20歳以上から。
アーティストや、アートの制作に関心のある学生の方、キュレーションなどに興味のある方を募集致します。
参加アーティストや、企画者、その他美術関係者と知り合える機会にもなると思います。

業務内容 : 
あいちトリエンナーレ2010「皮膚と地図」展の搬入出及び設営。
アーティストの制作補助。

勤務条件 : 
1、2010年8月20日10時〜18時
2、2010年9月13日10時〜18時
3、2010年8月13日〜21日時間未定など不明
1と2のどちらか、または両方に設営、搬入出のお手伝いをしていただける方。
3は、アーティストの制作補助です。制作のプロセスを共有できるまたとない機会です。

*事前に顔見せと説明会を兼ねた懇談会も予定しています。

ボランティアなので時給はお支払いできませんが、交通費(上限アリ)や特典など検討中です。
ご応募お待ちしております。

連絡先:
skin.and.map@gmail.com
企画者の水田までご連絡ください。ご質問なども受け付けています。
よろしくお願いします。

2010年3月14日日曜日

Exhibition Information

■Title
Skin & Map: the study of body and sense by four artists
(Curatorial Exhibition Competition (Art space) of Aichi Triennale 2010)

■Artists
Kanako Hayashi, Miki Kubota, Satoru Shimizu, Takuya Ikezaki

■Curator
Sayako Mizuta

■Date
August 21-September 12,2010

■Venue
Aichi Arts Center, Art Space G, 12th Floor

Final Result of Curatorial Exhibition Competition (Art space) of Aichi Triennale 2010.

窪田美樹


窪田美樹(くぼたみき)

木製の家具の表面の隙間を埋め、さらに研磨することで表面の「かげ」が取り払われ、表皮を剥がされたような物体が立ち上がってくる「かげとり」のシリーズや、くしゃくしゃに丸めた紙でモチーフを敷き詰める「はれもの」シリーズなどの彫刻作品を制作している。これらの作品は、表面の質感が観る者に迫り、さらに虚像と実像が往来し、表層と内側が繰り返し置換する、虚と実、裏と表が同時に存在する作品である。削る、磨く、丸める、埋める、などシンプルな行程の繰り返しによってできあがる作品は、彫刻作品でありながらその制作の過程はまるで生成過程のドローイングのように常に変化しながら生まれ、絵画のような彫刻と評されることも多い。


略歴
1975年 神奈川県生まれ 1999年 武蔵野美術大学彫刻学科卒業 2001年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース修了
個展
2009年 「かげとりと、はれもの」hpgrp gallery Tokyo、東京
2008年 「第2回Shiseido Art Egg 「Deshadowedかげとり」」資生堂ギャラリー、東京
    「かげとり―光に追い込む」H.P.FRANCE WINDOW GALLERY、東京
2007年 「かげとり」新宿眼科画廊、東京
2005年 「固形スープ」Galerie SOL、東京
    「うつくしい景色」appel、東京
2004年 「破裂」Gallery Jin、東京
2003年 「おいしいね」なるせ美術座、東京
    「座敷芸」かわさきIBM市民文化ギャラリー、神奈川
2002年 ガレリアキマイラ、東京
    「ドローイング展」café Est!、東京
    「沼」Gallery pirka、東京
2001年 exhibit Live、東京「切りとることと配列すること」ギャラリーαM、東京
2000年 フタバ画廊、東京
    セゾンアートプログラム「ART-ING東京2000:16×16」ギャラリーSOL、東京
1999年 「第4回アート公募2000」ギャラリーアート倉庫、東京
    「かたちなのかものなのか」なるせ美術座、東京

グループ展
2009年 「第一回所沢ビエンナーレ「引込線」」西武鉄道旧車両工場、埼玉
    「Haptic-触覚/ヴィック・ムニーズ キュレーションによるブラジル・日本アーティスト展」
    トーキョーワンダーサイト本郷、東京
2008年 「所沢ビエンナーレ・プレ展「引込線」」西武鉄道旧車両工場、埼玉
    「The House ―気配の部屋―」日本ホームズ住宅展示場、東京
2006年 「第3回府中ビエンナーレ」府中市美術館、東京
2005年 「RA'05」武蔵野美術大学美術資料図書館、東京
    「美術の星座2005」 ギャラリーくまい、東京
    「『 Shows 』 Vol.1」(第11回ADSP受賞展覧会)アルスギャラリー、東京 
2002年 Gallery Jin('03、'04)、東京
2001年 「セレクション2001」ガレリアキマイラ、東京
2000年 「美術の星座」なるせ美術座、東京
 「ART-ING 東京2000:16×16 ≪INDEX」展」セゾンアートプログラム・ギャラリー、東京

その他
コレクション 府中市美術館
アーティストインレジデンス 2008年 トーキョーワンダーサイト

池崎拓也


池崎拓也(いけざきたくや)

池崎拓也HP http://ikezaki3.konjiki.jp/IKEZAKI_Takuya/

身近にある素材や道具、紙、ビニールテープ、布、針金など可塑的な素材を用いてインスタレーションを展開している。簡単に把握できるはずのシーツの皺や、バスタオルの裏表、目を閉じたときに見える砂嵐や光の明滅などになかなか到達できないもどかしさや、気付かない場所で起こる知覚への疑問が彼の作品の構成要素になっている。インスタレーションでは、とらえどころのない感覚や事物の裏と表、始まりと終りなどの知覚と認識の重なりを地図化する作業のように展開していく。池崎によると「作品が完成したとあまり思ったりしない」らしく、ときに自分の感覚そのものを表し、ときに事物や場所に自分を重ねながら行うマッピングは、「必要ならば足すし引くし」というように広がっていく。

略歴
1981年 鹿児島県徳之島生まれ
2005年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2009年 中国北京中央美術学院造形部実験芸術科にて研修中。
現在、北京・東京在住

個展
2009年 「瞼の裏側とその空虚マップ」新宿眼科画廊、東京
2007年 「その時、瞬きしました」Loop Hole、東京
    「こんな所に来てしまった」新宿眼科画廊、東京
2006年 「太陽で目が眩んじゃった」中崎透遊戯室(武蔵野美術大学内)、東京

グループ展
2009年 「Emerging Artist Support Program 2008“座布団レース―偶然の出会いから急激に広がるイメージ―”」トーキョー
    ワンダーサイト本郷、東京 (キュレーション:光興)
    「重慶国際芸術祭」重慶501現代美術館、重慶、中国
2008年 「“BCA X'mas mARkeT: New Year Gift from Young Artists market」Beijing Center for the Arts at Legation Quarter、
    北京、中国
    「“Formless Life”」村住知也宅、金沢県
2005年 「39アンデパンダン展」Fads art space、東京
    「フリーター会議」新宿眼科画廊、東京
    「風呂屋劇場」才の神浴場 元三菱マテリアル社員用浴場、直島、香川県
2004年 「HOMEBASE curation program2」HOMEBASE、東京
2003年 「○☆! the park」Fads art space、東京

その他
中国政府奨学金

清水悟


清水悟(しみずさとる)

物の表面をなぞり、なぞった跡が凸版になり、擦って紙に転写するという過程で作品を作っている。建物の壁の模様や、新聞紙、雑誌や図鑑などからモチーフを集め、一見意味のない物の組み合わせが一つの世界を構築していく。清水の作品にも虚と実の往来があり、平面的で実体のない図像や文字、または建物の表面をなぞることで版という物質に立ち上がらせ、もう一度平面に戻していく。できあがった作品からは紙の質感や平面作品のわずかな凹凸を感じることができる。自分の内面のイメージを表出させるのではなく、触る、なぞる、こするなどの行為によって成立する新しいドローイング。

略歴
1980年 福岡県生まれ
2004年 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業

個展
2008年 「Maison Jojo」Omoh Gallery、東京
2007年 「いろ の ない うみ」住居用アパート、東京

グループ展
2009年 「09 TDC展」ギンザ・グラフィック・ギャラリー、東京

展覧会概要


■展覧会タイトル
あいちトリエンナーレ2010現代美術展企画コンペ選考企画
 皮膚と地図−4名のアーティストによる身体と知覚への試み

 ■出品アーティスト
  池崎拓也、窪田美樹、清水悟、林加奈子

 ■企画者
 水田紗弥子

 ■会期
 2010年8月21日〜9月12日

 ■会場

愛知芸術文化センター 12階アートスペース

■企画コンペ概要など

http://aichitriennale.jp/archives/news/2010_15.php

http://www.pref.aichi.jp/0000029679.html

林加奈子


林加奈子(はやしかなこ)

建物の隙間に身体を融け込ませる試みや、路上の亀裂や壁の凹みに果物や花を詰めるなど、街の表面に働きかけることで独特の知覚を浮かび上がらせるプロジェクトを行っている。場所や街に知覚を刺激されることで、作品という目印を埋め込むように、作品が展開していく。タバコの吸い殻を集めて絵を描くドローイングや、壁やガードレールの隙間にパズルのピースをはめる様に身体を埋め込むパフォーマンスのような作品など都市の表面へのアプローチは、既成の地図を書き換え、私たちの感覚に迫る新しい地図を見せてくれる。

略歴
1981年 大阪生まれ
現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻在籍

個展
2009年 「continue #6 STREET PRACTICE」Otto Mainzheim Gallery、東京

グループ展
2009年 「フランス大使館解体前プロジェクト –No man’s Land-」旧フランス大使館、東京
    「ATLAS展」東京藝術大学取手校地、茨城
    「広島アートプロジェクト2009」吉島、広島
    「宮下公園サマーフェスティバル」宮下公園、東京
    「Porto Gallery オープニング企画展」Porto Gallery、神奈川
    「混浴温泉世界 わくわく混浴アパートメント」清島アパート、大分
2007年 「INDEX #3」トーキョーワンダーサイト本郷、東京、shin-bi、京都

その他
ワークショップ
2009年 「EVERY DAY AND ANY DAY –art practices based on daily life-」遊工房アートスペース、東京
    「ON SITE LAB 2009 –Dialogue with art and environment -」トーキョーワンダーサイト青山、東京
ドキュメンテーション
2009年「わくわくJOBAN-KASHIWA プロジェクト」TSCA、千葉
2008年「Free Media International University -FREE MEDIA FREE ART-」ZAIM、神奈川
プロジェクト
2004-2006年 「Sarajevo International Culture Exchange」サラエボ、東京、ベルリン