2010年8月15日日曜日
皮膚と地図 コンセプト
■展覧会意図
意図や概念を超えて、身体や皮膚の感覚に迫ってくる作品を紹介することで作品を論理的な知覚と皮膚感覚とをいっぺんに捉えてもらえるような場として本展を企画しました。素材や表現方法の異なる4名のアーティストの作品を通じて、全体を直感的に捉える思考や捉えどころのない感覚に辿り着こうとする迷いを共有してもらいたいと考えています。
私たちは普段、何かを感じるとき表層の細かい変化を、視覚だけでない感覚を伴って感じています。例えば道を歩いていて、交差点に差し掛かったとき、視覚だけでなく風が抜けていく空気を肌で感じることも一緒になって私たちはそこが交差点だとわかります。
本展では、現実を捉える客観性と身体的な感覚のバランスを保つ試みを通じて、そこにある矛盾や葛藤に向き合いながら制作を続けている4名のアーティストの作品を紹介します。磨く、削るなどのシンプルな行程の繰り返しによって制作される窪田美樹の彫刻作品は、表層と内側、虚と実が何度も置き換えられます。池崎拓也は身近にある安価な素材を用いて、瞼の裏に表れる光の明滅や布の皺や裏表など、把握しにくい感覚や認識をテーマにインスタレーション作品を展開しています。
建物の壁の模様や、新聞紙や図鑑などからモチーフを集め、なぞる、こするなどの行為によってフロッタージュのような作品を制作する清水悟の平面作品は、一見意味のない記号の組み合わせが一つの世界を構築していきます。林加奈子の作品は、建物の隙間や路上の亀裂に身体や果物、花などを埋め、街の表面に働きかけることで独特の知覚を浮かび上がらせます。
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